遺産の名義変更について
遺産分割協議が終了し、遺産分割協議書が作成出来たら、その内容どおりに相続財産の名義変更の手続きを進めていかなければなりません。
相続財産の名義変更は、いつまでにしなくてはならないというような期限はありませんが、次の相続が起こってしまった場合には手続きが複雑になりトラブルのもとになる上、相続した財産を誰かに売却する場合には、名義人が被相続人のままだと売却することができませんので、結果的に名義変更をしなくてはならなくなります。
そういったトラブルを避けるためにも、遺産分割協議が終了したらなるべく早めに相続財産の名義を変更するようにしましょう。
なお、不動産の名義変更手続きは1番重要な手続きですので、速やかに名義変更の手続き行うことをお勧めいたします。
不動産名義変更の手続き
不動産の名義変更相続が起こった場合、被相続人名義の不動産登記簿を、相続人名義に変える手続きをしなくてはなりません。
なお、不動産の名義を変更しないままで、トラブルに発展する事は良くある事です。速やかに名義変更の手続きを行って下さい。
遺産分割協議の終了
登記に必要な書類の収集
登記に必要な書類はどのように遺産分割の協議が行われたかによって必要な書類が異なってきます。
1.登記に必要な書類の収集登記に必要な書類はどのように遺産分割の協議が行われたかによって必要な書類が異なってきます。
具体的には以下の通りです。
1-1.法定相続人が一人の場合または法定相続分で相続をする場合
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
法定相続人の戸籍謄本
法定相続人の住民票
相続する不動産の固定資産税評価証明書
以上の書類は全て市区町村役場で取得することができます。
なお、東京23区の不動産についての固定資産税評価証明書は都税事務所で取得しなければなりません。
1-2.遺産分割協議で決めた割合で相続をする場合
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
法定相続人の戸籍謄本
法定相続人の住民票
相続する不動産の固定資産税評価証明書
法定相続人の印鑑証明書
遺産分割協議書戸籍謄本、住民票、評価証明書、印鑑証明書については全て市町村役場で取得することができます。なお、東京23区の不動産についての固定資産税評価証明書は都税事務所で取得しなければなりません。
遺産分割協議書については遺産の分割のページで作成した協議書をそのまま使用することができます。
登記申請書の作成
登記の申請書の作成については状況によって複雑に変化するものなのでわからないことは何でもご質問下さい。
法務局への登記の申請
相続する不動を管轄とする法務局(登記所)に登記の申請をいたします。提出した書類に不備がなければ1週間くらいで登記が完了し、不動産の名義が変更されたことになります。
相続財産の名義変更は面倒な手続きや申請が必要になってき、トラブルなどを避けるためにも速やかに行う事をお勧めしておりますのでわからないことは何でもご質問下さい。
自動車の名義変更
自動車の名義変更はケースによって異なりますので、一般的な例を記載します。
手続の際は必ず当事務所又は陸運支局等にお問い合わせください。自動車の登録されている陸運支局等。
必要書類
- 被相続人の戸籍謄本等全部
- 相続人が複数で特定の相続人が相続する場合には、遺産分割協議書
(陸運支局所定の遺産分割協議用紙があるので、それに記入) - 相続人全員の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証
- 移転登録申請書(OCRシート2号様式)
- 自動車検査登録印紙 500円(移転登録申請書の用紙に貼り付ける)
- 委任状(誰かに頼む場合)
- 使用の本拠が変わる場合は、保管場所証明書(車庫証明・発行後1ヶ月以内)
- 他の管轄の陸運支局になる場合は、自動車税申告書
この場合、ナンバーが変わるので自動車を持ち込む必要があります。
※ナンバーが変わらない場合(他の管轄の陸運支局に移転しない場合)は書類上の手続だけで済みます。
ナンバーが変わる場合は自動車を陸運支局まで持ち込む必要があります。
当事務所においては出張封印(車を持込む必要がありません)での対応が可能となっております。詳細はお問い合わせ下さい。
預貯金の名義変更手続き
被相続人の名義である預貯金は一部の相続人が預金を勝手に引き出すことを防止するために、被相続人の死亡を銀行などの金融機関が確認すると預金の支払いが凍結をされます。
凍結された預貯金の払い戻しを受けるための手続きは、遺産分割が行われる前か、行われた後かによって手続きが異なります。
具体的な手続きは以下のとおりです。遺産分割の前の場合には、以下の書類を金融機関に提出することになります。
遺産分割の前の場合
- 金融機関所定の払い戻し請求書
- 相続人全員の印鑑証明書
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)
- 各相続人の現在の戸籍謄本
- 被相続人の預金通帳と届出印
この他、金融機関によっては用意する書類が異なる場合もありますので、直接問い合わせてみましょう。
遺産分割協議に基づく場合、調停・審判に基づく場合、遺言書に基づく場合によって必要な書類が異なります。
遺産分割の後の場合
遺産分割協議に基づく場合
以下の書類を金融機関に提出することになります。
- 金融機関所定の払い戻し請求書
- 相続人全員の印鑑証明書
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)
- 各相続人の現在の戸籍謄本
- 被相続人の預金通帳と届出印
- 遺産分割協議書(相続人全員が実印で押印)
この他、金融機関によっては用意する書類が異なる場合もありますので、直接問い合わせてみましょう。
調停・審判に基づく場合
以下の書類を金融機関に提出することになります。
- 家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本(いずれも家庭裁判所で発行を受けることができます)
- 預金を相続した人の戸籍謄本と印鑑証明書
- 被相続人の預金通帳と届出印
この他、金融機関によっては用意する書類が異なる場合もありますので、直接問い合わせてみましょう。
遺言書に基づく場合
以下の書類を金融機関に提出することになります。
- 遺言書(コピーでも可)
- 被相続人の除籍謄本(最後の本籍の市区町村役場で取得できます。)
- 遺言によって財産をもらう人の印鑑証明書
- 被相続人の預金通帳と届出印
この他、金融機関によっては用意する書類が異なる場合もありますので、直接問い合わせてみましょう。
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